火 山(1,379m)
平成11年10月25日(月)快晴
この山は、登山道というものが全くない。さらには上部は2mを超える笹が密集し、藪こぎに大きな労力を要する。そんな事前の情報を得て、代休のこの日、大変な気構えで登頂を試みた。天気は上々、快晴の予報である。早朝、4時00分に家を出る。満月で外はこうこうと明るい。武芸川町から美濃市へ出て、あとは国道156号を北へ北へとひた走る。ひるがの高原を越え、荘川村へ入ると外気温はなんとマイナス3度である。民家や車の屋根は霜で真っ白である。牧戸から国道158号へ分かれて、軽岡峠のトンネルを2つ越えて、坂を下りて行くと、国道158号の沿いの右側に「くるま〜と六厩(むまや)」というトイレ兼休憩所がある。ここから約500m進むと、六厩川にかかる落合橋がある。この橋の手前から右へ入る。それが旧軽岡峠への旧道らしい。この分岐から約1.5km行くと、建設中の東海北陸自動車道の下をくぐる。このトンネル(ガード)をくぐったところで、道は直進と左折に分かれる。直進は軽岡峠への道と思われ、左折は、建設中の東海北陸自動車道に沿った新設(あるいは付け替え道路か?)の道と思われる。この交差点は車3台くらいは止められる広場になっているので、ここに駐車する。登山準備をして6時55分に歩き始める。未舗装になっている直進の道を進む。すぐに「夜光虫」という別荘とおぼしき建物が左側に現れる。この当たりが豪農牧場の跡地なのであろう。広い草原にシラカバの木がそそり立っている。道路は荒廃しており、中央や両脇のススキに霜がついて真っ白で身体に触れると冷たい。そんな道を少し歩くと、左へ分岐する道との三叉路がある。どちらの道を行くのか判断できないが、「沢を渡る」という案内書の記述から、左へ折れて沢を渡ることにする。7時02分にこの三叉路を左折すると、道はすぐに行き止まりで、さらにススキを分け入ると、川に出る。この川を7時05分に渡る。川を渡ったら、道はないがそのまま直進して正面の斜面を登り、尾根を目指す。川を渡ったすぐは、霜の降りた笹があり、難渋するが、上部は笹が薄くなっている。7時44分に尾根に着いた。眼下に笹のジュウタンを敷き詰めたような窪地がある。一瞬スキー場のゲレンデかと間違えそうな風景である。目を高みにやると、右手前方に高い頂があるが、それが火山なのであろうと思う。この尾根のピークから右へ曲がって一旦下ると、7時53分に鞍部に下り立つ。さらにここから道なき尾根を忠実にたどって登ると、8時13分にピークに着く。ここから少し下ると、スキー場のゲレンデを思わせる笹の原の最上部である。8時20分にこの鞍部を過ぎ、登りとなって、8時36分にピークを通過、平らな場所を過ぎて、急な登りとなり、8時55分に主稜線に着いた。ここから左へ曲がって登っていく。しかし、いままでも相当な笹藪であったのに、ここからは「根曲がり竹」の密集地で進度が極端に落ちる。太くて2mを超す代物である。苦労に苦労を重ねて、悪戦苦闘すること1時間、9時58分にやっとの思いで、清見村と荘川村との境界に出た。この尾根は村界でもあるが、営林署の境界にもなっているようだ。営林署の境界見出標があるし、切り開きもある。地図上の三角点はここらしいが、いまは、三角点は100mか150mくらい東に移動しているとのこと。ピークから一旦わずかに下って、登り返すと、三角点がある。10時04分の到着である。三角点の周りは笹が生えていないので、すぐわかる。また、ここで営林署の切り開きも左(北の方角)へ直角に曲がっている。考えてみれば、この営林署の切り開きを登りのときに使えばよかったと思われるが、どこへ通じているのか未確認である。さきほど、笹の藪から出た切り開きを反対側にたどってみても、どこかへ通じているはずである。営林署の境界は村界の尾根上を走っているのであろうか。どこかへ下りているのであれば、それをたどれば簡単に登れるはずだ。さて、展望は雑木林のおかげであまりよくない。木々の間から望めるだけである。さて、昼食後、10時34分に下山にかかる。10時38分に地図上の三角点のピークに着く。ここから登りと同じルートで、笹の藪に突入し、11時12分に主稜線からの下り口に立つ。この当たりから白山などの北西の方向がよく見える。11時23分に平らなピークを通過し、11時26分に鞍部に到着。ゲレンデを思わせる笹原の最上部である。ここから登り返して、11時41分にピークを通過し、そこから下って、11時57分に鞍部に立つ。さらに登りとなり、12時00分にピークに着く。ここからは一気に下るのみである。12時07分に川を渡って、12時11分に三叉路に出る。右へ曲がって、12時17分には「夜光虫」という別荘(?)の脇を通って、12時18分に車に着いた。あとは、車を飛ばして帰路につく。帰宅は16時ころであった。