70 拝 殿 山(○,○○○m)
平成9年11月15日(土)晴れ
昨夜の雨のため、早朝はまだ草木が濡れていた。そのため、時間をずらし、午前9時ころに家を出た。目指すは加子母村の乙女渓谷である。岐阜市から関市を通り、美濃加茂市へ出て、国道41号線を北上。白川町で右折して、東白川村から加子母村を目指す。加子母村で左折して、国道267号線に乗り、乙女渓谷入口の看板に従って右折すると、終点が乙女渓谷のキャンプ場である。二の谷山荘(キャンプ場の管理棟)も、キャンプシーズンを終え、ひっそりとしている。ここの駐車場に車を止めて、11時10分から登り始める。左手の山へ登る植林道を探したが見つからない。拝殿山へ登る人は少ないのであろう。小秀山への案内看板はあるのだが、拝殿山のものは一向にない。しばらく、キャンプ場のバンガローの当たりをうろついて見ても、さっぱり山道は見つからぬ。そこで、駐車場からすこし戻ったところに谷があるので、この谷を登ることにした。谷には水はない。砂防工事が施された谷を登って行くと。まもなく、飲料水と思われる水の取水口がある。ドラム缶があり、ゴムホースが布設されている。ここを過ぎるとすぐに、右手(谷の左岸)に山道が現れる。どうもこの道は、キャンプ場の場所から続いているらしい。さて、この道を登って行くと、まもなく谷の右岸へ渡っているようであるが、だんだんと道は不明瞭になってくる。しかし、なんとか、谷沿いに登っていくと、植林地に入るあたりで、道は左に大きく曲がって、山腹を大きく、左の方へ横切っているようである。それを辿ると、植林地が雑木林に変わり、尾根筋に出る。営林署の境界杭があるらしく、この尾根筋が切り開いてある。道はこの尾根付近をジグザグに登っているようであるが、面倒なので、尾根の切り開きを直登することにした。急な登りであるが高度を一気に稼ぐことができる。後ろの山が急にせっまてくる感じである。小秀山から派生した尾根の「前山」、「唐塩山」であろうか。急な登りが一旦緩やかになる尾根の肩へ12時26分に到着し、さらに登るとやがて、12時31分、加子母の集落が見える場所に到着する。一息入れるのに適した場所である。ここからも、いままでと同じ様な急登や緩やかな肩を繰り返す。そのうち、左手前方に拝殿山と思われるピークが姿を現す。そのピークがずっと近づいたと思ったら、主稜線に到着する。時刻は13時07分であった。これが、三国山と拝殿山をつなぐ稜線であろう。この稜線上に両山があるはずである。営林署の境界杭の切り開きは稜線を右手の方へいっている。三国山の方である。それで、とりあえず、右手の方へ進んでみる。しばらくは、稜線上を進んでいるが、まもなく左へ直角に曲がって、谷を目指して急下降している。この先の稜線上は、猛烈な笹の藪である。しかし、三国山はこの先に違いない。ここまで来たのだからと、しばらくはこの笹の藪を突き進んで見ることにした。しかし、それにしてもすごい藪である。しかし、先人の目印がわずかに残ってはいる。笹の背丈が高くて見通しが利かず、目印も近くまで行かないと確認できない。そうこうしながら、13時45分に、何とか一つのピークに到着した。白草山が谷を隔てた前方に見える。目指す三国山はここではないらしい。さらに右手前方にに三国山らしき、ピークが樹林の間にかいま見える。しかし、この藪の中をあそこまで突進する、気力と体力がないし、時刻も遅い。。やぬなく、1時45分に引き返すこととする。笹藪と格闘して、13時58分、営林署の切り開きへ出て、14時02分に、稜線を下り口まで戻った。この前方に一旦下って、登り返したところにピークがある。この場所よりは標高が低いと思われるが、あれが拝殿山であろうか。笹藪の中を進んで見ると、目印がある。誰か先人が、ここから拝殿山へ登っているものと思われる。それで、目印を追って藪へ進入した。しかし、この藪も相当なものである。尾根の坂を下るうちは、目指す拝殿山が見えるからよいが、坂を下ってしまって、鞍部へ入ってしまうと背丈より高い笹に阻まれてなんにも見えない。ガサゴソと笹を分けて、進んでみても一向に近づかない。冬の午後のこととて、陽の傾くのが早い。自分の進行速度と反対に、時刻は容赦なく刻々と進む。14時41分には、またもや、ピークを目前にして、引き返すはめになる。残念である。「二兎を追う者一兎をも得ず」のことわざどおりである。再度の挑戦を誓って引き返す。目印を慎重に拾いながら、15時01分に稜線の切り開きへ戻ってほっとする。あとは、陽の傾きを気にしながら、営林署の切り開きを一気に下る。15時11分には加子母村の集落が見える場所まで下り、3時18分には左へ曲がって、山の中腹を横切り、谷へ出る。あとは、谷を下って、キャンプ場まで下る。車には15時35分に着いた。やはり、道は、キャンプ場のバンガローの裏手を横切って、キャンプファイヤー場広場の脇の、トイレの裏手へ出るまで続いているが、相当傷んでおり、通行は危険である。谷を下った方が楽であろう。
平成9年11月24日(月・振替休日)快晴
再度の挑戦のため、早朝5時40分に家を出発し、大野宅へ向かう。大野氏を乗せ、前回と同じコースで加子母村へ到着。あとは、乙女渓谷キャンプ場まで進入し、キャンプ場入口の駐車場に車を止める。丁度8時である。ここから、50mくらい戻った所に谷が流れ込んでいる。午前8時04分に、その谷を遡行する。すぐに、8時08分、取水口がある。そこから、谷の左岸へ登ると、山道が現れる。キャンプ場からの遊歩道に続いているのであるが、前回の記述のとおり、キャンプ場の方は荒れてしまって、通行できない。さて、山道を登って行くと、谷の右岸へ渡り、右岸沿いを登っている。やがて、8時22分、道は谷から大きく離れ、山の中腹を左の方へ回っている。その道を辿ると、尾根に出る。尾根は営林署の境界となっており、切り開いてあるので、そこを直登する。山道はその尾根の向かって左側の雑木林の中をジグザグに登っている。山道を登ってもよい。我々は尾根の境界を直に登った。8時40分には、第1の肩に到着した。ここまでが一番きつい。肩で坂が緩やかになり、また、急な登りとなるが、すぐに、8時44分にはまた、緩やかな肩に到着する。ここからは、加子母村の市街地が良く見える。さて、同じ様な繰り返しで、8時51分、8時55分には、それぞれ、第3、第4の肩を通過して、9時05分には三国山と拝殿山をつなぐ主稜線に着いた。ここから、右へ行くと、三国山、左へ行くと拝殿山である。われわれは、ここで小休止して、拝殿山へ向かった。とにかく、ここからが、たいへんである。なんせ、過去には道があったと思われるが、背丈を超える熊笹が猛烈に茂っており、全く判別できない。とにかく尾根をはずれないようにして、がむしゃらに進むのみである。目印のテープをつけるが、熊笹に遮られて見つけにくい。一旦下ってさらに登り返すと頂上であるが、この登りは、ほとんど平坦かと思われるほどで、大したことはない。しかし、それだけに三角点を見つけるのが、たいへんである。もうそろそろ頂上だと思ってもなかなか三角点がない。やっとの思いで、三角点の切り開きに着いたのは、10時16分であった。主稜線に出てから約1時間を費やしている。熊笹がなければ、あっても背丈が低ければ、15分か20分の距離であろうものを、全く難渋を強いられる。とにかく、三角点を囲んでビールで乾杯をする。そして、食事をするが、風が強くて相当寒い。そして、雑木林と熊笹に遮られて展望は利かない。1時間後の11時17分に下山を開始する。とにかく目印のテープを拾いながら、慎重に慎重に下る。そして、11時52分には主稜線からの下り口に到着した。あとは、切り開きを下るのみである。12時02分に第4ピーク、12時04分に第3ピーク、12時08分に第2ピークを通過して、12時10分に第1ピークを過ぎ、12時16分には尾根から離れて、中腹を横断し、12時19分には谷の右岸へ着いた。谷沿いに下って、12時31分に取水口、12時35分に車に到着した。そのまま、車を飛ばし、14時30分ころ帰宅した。