69 三 国 山(1,611m)
平成9年11月15日(土)晴れ
昨夜の雨のため、早朝はまだ草木が濡れていた。そのため、時間をずらし、午前9時ころに家を出た。目指すは加子母村の乙女渓谷である。岐阜市から関市を通り、美濃加茂市へ出て、国道41号線を北上。白川町で右折して、東白川村から加子母村を目指す。加子母村で左折して、国道267号線に乗り、乙女渓谷入口の看板に従って右折すると、終点が乙女渓谷のキャンプ場である。二の谷山荘(キャンプ場の管理棟)も、キャンプシーズンを終え、ひっそりとしている。ここの駐車場に車を止めて、左手の山へ登る植林道を探したが見つからない。拝殿山へ登る人は少ないのであろう。小秀山への案内看板はあるのだが、拝殿山のものは一向にない。しばらく、キャンプ場のバンガローの当たりをうろついて見ても、さっぱり山道は見つからぬ。そこで、駐車場からすこし戻ったところに谷があるので、この谷を登ることにした。谷には水はない。砂防工事が施された谷を登って行くと。まもなく、飲料水と思われる水の取水口がある。ドラム缶があり、ゴムホースが布設されている。ここを過ぎるとすぐに、右手(谷の左岸)に山道が現れる。どうもこの道は、キャンプ場の場所から続いているらしい。さて、この道を登って行くと、まもなく谷の右岸へ渡っているようであるが、だんだんと道は不明瞭になってくる。しかし、なんとか、谷沿いに登っていくと、植林地に入るあたりで、道は左に大きく曲がって、山腹を大きく、左の方へ横切っているようである。それを辿ると、植林地が雑木林に変わり、尾根筋に出る。営林署の境界杭があるらしく、この尾根筋が切り開いてある。道はこの尾根付近をジグザグに登っているようであるが、面倒なので、尾根の切り開きを直登することにした。急な登りであるが高度を一気に稼ぐことができる。後ろの山が急にせっまてくる感じである。小秀山から派生」した尾根の「前山」、「唐塩山」であろうか。急な登りが一旦緩やかになる尾根の肩を越え、さらに登るとやがて、加子母の集落が見える場所に到着する。一息入れるのに適した場所である。ここからも、いままでと同じ様な急登や緩やかな肩を繰り返す。そのうち、左手前方に拝殿山と思われるピークが姿を現す。そのピークがずっと近づいたと思ったら、主稜線に到着する。これが、三国山と拝殿山をつなぐ稜線であろう。この稜線上に両山があるはずである。営林署の境界杭の切り開きは稜線を右手の方へいっている。三国山の方である。それで、とりあえず、右手の方へ進んでみる。しばらくは、稜線上を進んでいるが、まもなく左へ直角に曲がって、谷を目指して急下降している。この先の稜線上は、猛烈な笹の藪である。しかし、三国山はこの先に違いない。ここまで来たのだからと、しばらくはこの笹の藪を突き進んで見ることにした。しかし、それにしてもすごい藪である。しかし、先人の目印がわずかに残ってはいる。笹の背丈が高くて見通しが利かず、目印も近くまで行かないと確認できない。そうこうしながら、何とか一つのピークに到着した。白草山が谷を隔てた前方に見える。目指す三国山はここではないらしい。さらに右手前方にに三国山らしき、ピークが樹林の間にかいま見える。しかし、この藪の中をあそこまで突進する、気力と体力がないし、時刻も遅い。。やぬなく、1時45分に引き返すこととする。笹藪と格闘して、営林署の切り開きへ出て、稜線を下り口まで戻った。この前方に一旦下って、登り返したところにピークがある。この場所よりは標高が低いと思われるが、あれが拝殿山であろうか。笹藪の中を進んで見ると、目印がある。誰か先人が、ここから拝殿山へ登っているものと思われる。それで、目印を追って藪へ進入した。しかし、この藪も相当なものである。尾根の坂を下るうちは、目指す拝殿山が見えるからよいが、坂を下ってしまって、鞍部へ入ってしまうと背丈より高い笹に阻まれてなんにも見えない。ガサゴソと笹を分けて、進んでみても一向に近づかない。冬の午後のこととて、陽の傾くのが早い。自分の進行速度と反対に、時刻は容赦なく刻々と進む。またもや、ピークを目前にして、引き返すはめになる。残念である。「二兎を追う者一兎をも得ず」のことわざどおりである。再度の挑戦を誓って引き返す。目印を慎重に拾いながら、稜線の切り開きへ戻ってほっとする。あとは、陽の傾きを気にしながら、営林署の切り開きを一気に下る。左へ曲がって、山の中腹を横切り、谷へ出る。あとは、谷を下って、キャンプ場まで下る。やはり、道は、キャンプ場のバンガローの裏手を横切って、キャンプファイヤー場広場の脇の、トイレの裏手へ出るまで続いているが、相当傷んでおり、通行は危険である。谷を下った方が楽であろう。
平成9年11月30日(日)快晴
快晴の絶好の山行き日和である。昨日からの雨で、木々は濡れているとは思ったが、この「三国山」は、林道歩きが3時間ということなので、そのうちに露も落ちると思い、7時30分頃家を出て、国道41号線を白川町で右折して東白川村を経由して、国道257号線から下呂町へ入り、舞台峠を下ったところで右折して、「鞍掛峠」への道路案内に従って「鞍掛峠」を目指す。御厩野の集落を登って行くのであるが、集落の最後の民家のところから、いままでのセンターラインの道は急に狭くなって林道らしき道になる。ここに、「道路情報(県)白草山公園線」の看板がある。つまりは県道ということか。さて、ここから約2キロで立派な林道(まだ建設中であるが)下呂〜萩原線を横断する。さらに、そこから2.5キロで営林署の通行止めの看板がある。「無断で通行して事故があっても一切の責任をとらない。」と書いてあり、道路の両脇にゲートの支柱があるが、壊れてしまっている。それを通り過ぎると、約600mで舗装が途切れ未舗装の道になる。さらに、100m進むと、営林署の通行止めの看板があり、ゲートがあるがクサリはなく、そのまま進入する。さらに、ここから6.7キロの間、未舗装のガタガタの羊腸のような道が続く。この道もすいぶんとひどい道で、2WDではやっと通行できるといった道である。しかし、3時間歩く覚悟で来ただけに全く助かった。御厩野の集落の最終民家から、約8.4キロの距離がある。とにかく、そんな訳で予定よりはずっと早く、8時53分には鞍掛峠に立つ事ができた。ここから、左(西)の方へ行くと、約1時間で白草山へ登れるらしい。右へ行くと目指す三国山である。しかし、朝早いだけに笹の藪はすごい水滴である。まあ、登るしかないであろう。笹の藪を分けて、9時10分には第1のピークに到着した。反対側の白草山の方や、御厩野の集落がよく見える。尾根の笹の藪や笹の原の切れ目やらを登って、第2のピークへ9時49分に到着した。左側(長野県側)は、雑木林であるが、右側(岐阜県側)は皆伐採したあとで、まだ、木が小さいので、見晴らしがよい。この場所は頂上と間違える様なところで、拝殿山へと続く尾根のようである。さて、ここから頂上はすぐである。笹と檜や雑木の藪を辿ると、9時55分に頂上に到着した。岐阜県の飛騨側はいま登って来たように割となだらかでるが、美濃側は急な坂となっている。「小秀山」の方がよく見える。御岳は長野県側の木々のため、残念ながら見えない。まだ、時刻が早かったが、ラーメンの食事を済ませ、10時17分に下山を開始する。10時18分には主尾根と分かれる所(第2ピーク)へ戻り、10時19分には、見晴らしのよい場所から笹の藪へ入り、10時31分には、第1のピークを通過した。そして、10時36分には車へ戻った。あとは、車に乗って、12時ころ自宅へ戻った。