32 屏 風 山
平成8年10月26日(土)曇り一時雨
かねてから憧れていた屏風山、今日は登ろうと午前5時30分に西川さんとの待ち合わせ場所へ行く。少し遅れたため、すでに西川さんは待っていた。すぐに出発する。国道157号線を一路根尾村へ。根尾村の樽見をすぎ、温見峠へむかうが、途中黒津で西谷を渡り、越波への合流点を左折し、岩の子谷を越えて、河内谷へ入る。途中右への分岐があるが、構わず谷沿いに入っていくとやがて(越波への合流点から約4キロメ−トル)砂防ダムが現れる。残念ながら、この辺りで雨がポツポツと落ちてきた。今日は登頂は無理であろうという考えが頭をよぎる。自分1人ならなんとかなるが、初心者の西川さんには雨の中の登山は無理であろう。でも、せっかくここまで来たのであるから、せめて、登山口だけでも確認しておこうと思う。登山口(屏風谷との出合い)までは林道の歩行であろうから西川さんでも大丈夫であろう。そう思い、車を進めると、さらに2キロメ−トルほどで、車止めがある。時刻は予定どおり7時30分であった。林道は先へ伸びているのであるが、鎖で通行止めになっているのだ。すこしためらったが、やむなく、そこに車を止め、歩き始める。8時00分ころである。相変わらず小さな雨粒は少し落ちてくる。でも、錦秋の紅葉は雨に濡れて一段と鮮やかである。歩くこと約20分で屏風谷との出合いに到着する。林道からの降り口に赤いテ−プがついている。これに間違いないと思うが、西川さんは大丈夫だろうか、不安はよぎるが、そこから谷に下りる。谷を渡り対岸の屏風谷の合流点を見ても、登山道らしきものが見当たらない。ぎふ百山の会が登山道を整備したというのは、でたらめだったのか。付近を探してもどうしても見付からない。8時30分、やむなく、谷を遡行することにする。かすかな踏み跡はあるようだ。そして、谷の石に赤いペンキの目印を見付ける。たぶんこれが屏風谷に間違いないであろう。屏風谷を約1時間登ったところで、雨が大粒になり、もし、頂上へ登ったとしても、ゆっくりと休憩もできないし、当然展望も無理であろう。それに帰りのことも考えると、これ以上の登山は無理だと判断した。時刻は9時30分、今日の登頂は断念して引き返す。屏風谷を下って、林道へ戻ったのが、10時7分ころ、そのまま林道を歩き、車には10時20分ころ到着、2人ともすっかり濡れてしまった。特に足はしっかりと濡れてしまった。西川さんは寒むそうであった。早速エンジンを掛けヒ−タ−をつける。そして帰りを急ぐ。こんどは、越波を通って東谷へでる。上大須ダムを見学して、昼食でもと思ったが、ダムは寒かったので、根尾のうすずみ桜公園まで戻り、そこで、ささやかな昼食をとる。風が強くて寒い。始めは人がいなかったのに食事をしていたら、どこかの登山の団体やらいろいろと人が増えてきた。それで、引き上げることにした。このころには、雨もどうやらあがって来た。まったく憎らし雨である。我々が山にいるときだけ降ったりして。まあ、しかたないか。国道157号線を本巣町金原まで帰り、そこから関本巣線を経由して岐阜市へ入り、雛倉、秋沢をとおり、中へ到着。そして帰宅。それにしても、今日は雨のお陰で残念であった。またのチャレンジを誓って筆をおく。
平成9年5月10日(土)快晴
かねてから念願の屏風山、今日は最高の山登り日和である。午前5時45分に家を出る。根尾東谷川を遡り、中部電力の揚水式発電所の上大須ダムの手前の上大須から左折し、峠を越えて越波の集落(廃村)を通過し、越波橋を渡ってから右折する。ここからが、河内谷林道である。河内谷に沿って奥へと延びている。約20分、距離にして6.2キロほど走ると、通行止めのクサリが張ってあるところに着く。前回はここから歩いたが、今日は幸いなことにクサリがはずしてある。ここから、さらに5分、1.7キロくらいで、大白味谷が左から(すなわち、河内谷の右岸へ)流入しているところへ到着する。前回はこれを屏風谷と間違えたが、今日もここから登るべく谷へ下りたが、増水しており、川が渡れない。結局これが幸いした。それで、もう少し奥へ行くことにした。ここから、さらに5分くらい、距離は約3キロほど行くとあった、あった、「ぎふ百山を登る会」が立てたという「屏風山登山口」の立て看板が。時刻は7時50分である。そうか、これが屏風谷なのかと納得する。河内谷の右岸へ流入する屏風谷がある。ちょうど砂防堰堤の工事中である。ここから、河内谷へ下り立ち、川を渡って屏風谷を遡行する。さすが、「ぎふ百山を登る会」が登山道をつけたと言われるだけあって、綺麗な道が続いている。気をよくして、どんどん遡行していく。ところどころには、目印も付いている。30分くらい谷を遡ったであろうか、8時20分ころ、いよいよ谷を離れて、尾根への急登が始まった。直登しているので、たいへんな坂である。喘ぎ喘ぎ登って、やっと尾根に出た。時刻は9時05分である。左前方には屏風山の雄姿が木々の間から垣間見える。こうして見ると近そうであるが、実際はそうでないことを思い知らされることとなる。尾根を左にとって進む。最初は登りのない平坦な尾根であり、快適に進む。やがて、登りにさしかかるころになると、時刻は9時20分である。ここから、登りの連続でやっと9時50分には、ちょっと一息つけるところに出た。ここが、8合目くらいか。いままでは、杉や檜の高い木があったが、ここからは背の低い雑木ばかりで、遮るものがなく、左門岳、明神山や、日永岳など、背後の山の展望がすこぶるよい。前方には屏風山の頂上とその直下に枯れ木が1本立っているのが見える。あと少しだと気を持ち直して登り、やっと枯れ木が1本立っているところに、10時丁度に着いた。よし、あとはほんの少しである。頂上に着いたのは、10時10分であった。やった。360度のパノラマである。遮るものは何もない。能郷白山や大白木山、高屋山など、眺望を独り占めである。「ぎふ百山を登る会」の10週年記念の頂上を示す看板が立っており、そのそばにメモ用紙と筆記具がおいてある。いままで、登った人たちがメッセージを寄せている。みんなこの展望、山容に感嘆しているようだ。
さて、下りは11時25分に出発する。11時30分には枯れ木が1本立っているところを通過し、11時45分には尾根からの下り口に到着した。急坂を滑り下りると、屏風谷へ出る。時刻は12時05分であった。あとは、屏風谷を下って、河内谷林道の車のところへ、12時30分に着いた。そのまま、車を飛ばし、午後2時30分ころ自宅に到着である。この屏風谷や河内谷には、イワナやアマゴが多く生息していそうである。