15 天 狗 山(1,149m)
平成9年5月17日(土)晴れ
今日の目標を坂内村の天狗山と定め、朝7時30分に家を出る。国道303線をひた走り、横山ダムを渡り坂内村へ入る。坂内村の集落の手前の右側(国道と坂内川の間の土地)に喫茶店ができた。傾斜したようなコンクリートの建物で、一見すると喫茶店とは思えないような建物である。この喫茶店を過ぎて800mくらい行くと、右側の坂内川に架かる橋がある。道路が左にカーブしているところで、わかりにくくて危険でもあるが、この橋を渡って、さらに右に曲がり、坂内川の対岸(左岸)を川下へ向かう。すると、坂内川の対岸に先ほどの喫茶店を過ぎたころ、タンノヤ谷が山腹から流れ込み、続いて天狗谷が流れ込んでいる。天狗谷は道路のすぐのところに堰堤があるし、道路の脇に碑が立っているので分かるであろう。さて、8時45分に登山を開始する。この谷の左岸(向かって右側)に登り口がある。しかし、この道は堰堤の上付近で分からなくなった。釣り人の歩いた跡なのだろうか。谷身から20〜30m上に道があると案内書に書いてあったので、探して探してなんとか発見した。安心してそれを辿ったが、やがて、その道も無くなってしまった。案内書によれば、谷が2つに分かれる所まで、道があると書いてあるがどうしたことか。やむなく右の尾根にあがることにした。さて、尾根にあがったものの、踏み跡すらなくて困ったが、とにかくこうなったら、この尾根を行くしかないと思い、目印を付けながら進んでいく。やがて、猛烈な藪に突入して閉口した。しかし、その藪から頭を出してみると、南側の展望がすばらしく、先ほどの喫茶店や横山ダムがよく見える。藪の中をさらに登っていくと、11時50分に大きな岩場に出くわした。いかにも天狗が住んでいそうな突出した大きな岩壁である。ザイルでもないととても危険なところだ。しかし、雑木林からは突き出ているので、展望を楽しむには絶好のところである。転落したら、命がないぞと言い聞かせ、慎重に登り切る。この岩場を過ぎた当たりから笹が出現し、登るほどに笹が濃くなってくる。岩場からさらに1時間、笹と苦闘しようやく頂上に着いた。時刻は12時45分であった。頂上は笹に阻まれて展望はきかない。三角点の周りは笹が刈り取ってあり、さらに、登山道らしきものが、伸びているので、この道を下れば、案内書のとおりに下りられるのかなと思い、1時11分そうそうに下山にかかる。しかし、30〜40分くらい下ってみたが、どうも、尾根を「五蛇池山」の方(北)へ向かっているようで、おかしいと気付いたころ、道もなくなり、目印も無くなってしまった。しかたなく、頂上まで引き返すことにしたが、これが大変な労力であった。やっとの思いで、頂上に辿り着いたのが、14時30分であった。しかし、登ってきた藪と岩壁を下る気にはなれず、他の道はないものかと探して、三角点から西へ伸びる笹の切り開きを発見した。さっそく、それを下ることにした。これなら、地図とも合っているし、間違い無かろう。笹の藪がちゃんと切り開いてあるので、歩くのにも苦労しない。30〜40分くらい下り、14時54分ころ、天狗谷への下り口があるはずと、思ってもちっとも見つからない。それで、あきらめてそのまま尾根を下ることにした。やがて、15時11分、いままでの雑木林から杉が出現する。杉林の中をアップダウンをしながら下ると、やがて、15時25分に三角点が現れる。たしかに地図上にも三角点の印がある。無名峰のようだ。さらに3分、15時28分には、共同アンテナが立つところにでる。たくさんのワラビが生えている。ここから急な下りとなり一気に駆け下りる。下から集落の音も聞こえてくる。集落に近くなって来るころにも、ワラビの群生地がある。そこを過ぎるとすぐに道路へ出る。時刻は丁度16時であった。国道303号線の坂内川を挟んだ対岸のようである。登山道の入口の棒に赤いビニールテープが巻いてある。道路の両側に作業小屋があるので、目印になるだろう。道路を下流に向かって歩き出す。車のところまでは相当有りそうである。先ほど車で渡った橋までで、半分くらいか。さらに歩いて車にたどり着いたのは16時23分であった。とても疲れた山であった。結局、あんなに良い道があるのなら、最初から下りに使用した道を登れば、楽に、そして、早く登れると思う。車を走らせ、17時30分に家に到着した。