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輝山(2063.0m)

平成22年5月29日(土)晴れ
 
高山市丹生川町
 
グループ

  山(2,063m)

 

平成22年5月29日(土)晴れ

 

 

今日は、いま通い詰めている七宗町の山ではなくて、ちょっと遠出をして輝山(てらしやま)へ行った。乗鞍山系の山で、平湯峠を挟んで南北に対峙するのが、乗鞍岳とこの輝山なのである。国道158号から県道乗鞍公園線(いわゆる乗鞍スカイライン)が分岐する、平湯トンネルの西側(高山側)の駐車場に車を止めて、登ることになる。輝山は、近年山スキーに適した山としてネットで多くヒットする。それゆえに、残雪のある時しか登れないのであるが、いまならまだ残雪があるかもしれないと、急きょ出かけることにした。

早朝2時30分に起床して、準備をして食事もとらず、2時45分には出発した。高速を使うつもりではいたが、この時間なら下道でもたいして時間は変わらないだろうと、国道156号、せせらぎ街道のルートで、高山へ向かった。高山市街を西から東へと横断し、国道158号で、平湯方面へと走る。そして、丹生川村を通り、ほうのき平スキー場を過ぎると、いよいよ平湯トンネルと、乗鞍スカイラインの分岐点である。その分岐点にある駐車場に車を乗り入れる。湘南ナンバーの車が1台止まっていた。中で仮眠していた。私は、構わずまずは朝食の準備に取り掛かった。食事をしないことには、今日の山は登れまい。お湯を沸かしてカップラーメンをすすった。湘南ナンバーは、食事の準備中に走り去った。

 

そして、いよいよ5時54分に出発した。まずは、乗鞍スカイラインを歩く。すると、6時01分にはゲート(今は当然開いている。)があり、その手前に駐車帯があった。なんだ、ここに駐車すればよかったと思ったが、あとの祭りだ。このゲートを通り越し、スカイラインを登っていくと、正面に鉄塔が見えてくる。また、右手の路肩にスカイラインの起点から2kmの標識がある。ここで、左から沢が流れ込んでいる。ゲートから最初の沢である。この沢の右岸から尾根に取りつく。ここにはガードレールがあって、人も入れないようになっているが、ガードレールの中に中電の鉄塔巡視路案内板がある。「NO.21」、「NO.22」となっている。正面に見えるのが「NO.22」であろう。6時11分にガードレールを乗り越えて、斜面に取りつこうとすると、また、鉄塔案内板がある。こんどは「NO.20、21」となっている。この巡視路を登っていく。さすが巡視路だけあって、ちゃんとした歩道(登山道?)になっている。この巡視路をジグザグに登って、6時23分に「NO.21鉄塔」に出る。この付近にワラビが群生していたので、帰りに土産に採取した。鉄塔巡視路はここからトラバースして「NO.20鉄塔」へと向かっている。しかし、輝山へはこの尾根を直登しなければならない。しかし、登山道はおろか踏み跡すら一切なく、背丈を超える笹が容赦なく生い茂っている。期待した残雪は一切なし。しかたなく、6時35分、いよいよここから笹藪に突入した。見通しは利かないがとにかく真っすぐ登るのみ。笹をかき分けかき分け、笹をつかんで自分の体を持ち上げる。そんな動作の切り返しだ。30分ほど登ると、7時03分に、な!なんと林道跡に飛び出した。

 

 

こんな林道があったのなら最初からこの林道を歩いて登ればよかったが、この林道の入口がわからない。ここからは林道を登ったが、たいへんな坂道の林道だ。そして、7時14分、林道の左右(上下か?)に大きな木が立っている場所に来た。そのまま林道を歩くことも考えたが、この付近は笹の背丈が低かったので、7時14分に、この大木のところから斜面を尾根に向かって直登することにした。この急斜面も難渋して、登り、7時32分にやっと尾根に出た。ほうのき平スキー場が見えるようになり、乗鞍スカイラインも見えてくる。しかし、笹の藪は相変わらず手ごわい。それでもなんんとか尾根を忠実にたどると、8時17分なんと、また、林道跡に飛び出した。やはり、あの林道を登ってくると、ここにたどり着けたのだ。下山時に確認してみよう。さて、林道を登ると、8時23分にはこの林道の終点に着いた。ここから右手の尾根に上がる。前方には左手から尾根が合流する山頂付近が見える。残雪があれば容易にたどり着けるのに、今は、残雪はかけらも見えない。8時28分にコブに上がると、直下の鞍部にに残雪が少しだけ残っていた。そこへ下って、あとは登る一方だ。途中右手の林の中には所々で残雪があったが、北側の日陰のため、残っているのであろう。来るのがあまりに遅すぎた。そんなことを考えながら、笹の藪の中を黙々と登る。時間は倍以上かかる。これもやむを得ないことであろう。残雪気ならもうとっくに山頂に着いている時間なのだ。左手は笹の草原、右手は雑木林の境界の尾根を登っていく。行く手を阻むのは笹の藪だ。8時59分に地面にワイヤの巻き束がある場所に着いた。さらに登ると、9時12分には切り株にワイヤーが鉢巻のように巻いてある場所に出た。

 

 

左からの尾根の合流点は見えていたが、ここからさらに1時間以上かかって、10時30分にようやく尾根の合流点にたどり着いた。ここから右手の林の中へと進むが、傾斜も緩やかになり、10時34分に山頂の三角点と標柱に着いた。4時間半もかかった計算になる。この山は残雪気の山だ。無雪期には来るものではない。山頂は、林の中で展望は望めない。

 

 

 

 

 

 

早速持参したラーメンで昼食とした。そして、11時02分に下山にかかった。下山もあの登ってきた笹藪の中を下っていかねばならない。11時06分に尾根の合流点に来た。ここで、左の尾根へと下る。11時32分にワイヤーを巻いた切り株を過ぎ、11時42分にはワイヤーの巻き束を乗り越える。そして、11時51分にコブに立ち、11時54分に林道の終点に降り立った。11時57分には笹藪から林道へ飛び出した場所に来たが、下山時はこのまま林道を歩いて下った。ところがこの先で大事件があった。快調に林道を下っていたら、背後でなにやら、動物の気配がしたので振り返ると、あんと、熊が林道を駆け下りてきた。私に襲い掛かってくるのかと思い、急いで林道を駆け下りたが、熊の足にかなうはずもない。足がもつれて転んでしまった。熊にやられる!!と思った瞬間、熊は私の横を通り過ぎて林道をかけ下り、林道のペアピンカーブからまっすぐ笹藪の中へと姿を消した。その間数秒であったが、やれやれと安堵したのであった。こんな経験は初めてだ。熊に追いかけられるなんて。今日は鈴をつけてはいたが、残雪を予想して、ワカンをザックに挟んでいたため、鈴が鳴らなくなっていたのであった。それにしても命拾いをしたものだ。

 

 

 

 

さて、熊が通り過ぎた林道を歩き、12時08分には往路で直登するため、笹の藪に取りついた場所を通過し、12時12分に最初に林道へ飛び出した場所に来た。ここから眼下の鉄塔に向けて、笹藪へ突っ込んだ。そして、12時20分に鉄塔に降り立った。12時25分にこの鉄塔を出発し、12時32分にガードレールを乗り越えて、乗鞍スカイラインへ出た。12時38分にゲートを通過して、12時b44分に駐車地点へ戻った。

すぐに出発し、帰路は国道41号、関金山線を使って、16時00分に帰宅した。