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山上ヶ岳(1,719.2m)

平成18年6月2日(金) 曇り
 
所在地
 
グループ

 日本百名山である「大峰山」へ行くことにした。「大峰山」という名の山はない。いまでも女人禁制の「山上ヶ岳」や近畿最高峰の「八経ヶ岳」とかの山塊を総称して「大峰山」と呼んでいるらしい。であるから、「山上ヶ岳」を百名山とするのか、「山上ヶ岳」を百名山にするのか意見の分かれるところだ。それなら、「2つとも登ってしまえ。」ということになって、2山を日帰りで登破することとした。

 前日のうちに準備をすませておき、前夜は仕事から帰ってすぐに寝た。果たして日帰りで行って来ることが出来るのか。不安であったが、自分の力を信じるしかないと言い聞かせた。しかし、興奮してなかなか眠れなかった。剣岳の早月尾根を思い出したが、あのときは前夜のうちに登山口まで着いていたのだ。今回は早朝に自宅を出るのであるから、その道中が行動時間にプラスされる。ウトウトとしただけだったが、とにかく23時55分に起き、日付が変わったすぐの0時10分に自宅を出発した。今日は長い1日になりそうなのである。

 とにかく、ガソリンを満タンにしなければと、途中のガソリンスタンドへ立ち寄ったが、深夜で営業していなかった。計画どおり、長良川堤防を南下し、木曽三川公園で右折し、東名阪自動車道に乗るつもりであったが、ガソリンの給油のことを考えていたのか、何を考えていたのか、三川公園の交差点を直進してしまった。それで、Uターンしなければ・・・と思いつつも広場がなくて、結局、国道1号に出てしまい、このまま一般道を行くことにした。深夜のこととて、渋滞もないだろうと考えたのである。国道23号に乗りかえ四日市へ。そして、また国道1号で亀山へ行く。その途中で深夜営業のガソリンスタンドを見つけ給油した。これで安心して行くことができる。亀山から名阪自動車道に乗った。ここからは無料であるからだ。順調に進み、針インターへは予定より1時間も早い2時00分に着いた。これなら予定より早く登山口に着けると思ったが、そんなに甘くはなかった。深夜で通行量は少なかったのであるが、国道369号で榛原へ行き、ここから、国道370号で吉野へ向かうのであるが、榛原市街地を通過するのに時間がかかり、吉野町でもうろうろして、国道169号に乗り、上北山村方面へ走る。途中の「道の駅川上」へ着いたのが4時17分と少々遅れてしまった。ここで、トイレをすませ、朝食用におにぎりを食べた。そして、出発し大台ヶ原への道を右へ分け、上北山村へ入るとまもなく「天ヶ瀬」地区へ着く。計画どおりの4時30分であった。このころから明るくなってきて、ヘッドライトを消した。この天ヶ瀬から国道309号へと右折するのである。集落もなにもない山中であるが、右折する交差点から、さらに50mほど下った先に待避所(駐車広場)とトイレがある。うれしい心配りである。国道309号は、国道とは名ばかりの1車線の狭いくねくねの道である。まあ舗装してあるだけ林道よりはましか。分岐には天川方面という案内板があったので間違いはないと思ったが、あまりにも狭い道なので本当にこの道でよいのかと不安になってきた。対向車がきたらすれ違いもままならない。しかし、途中で道路標識がいくつもあったので、安心はしたが、道幅が狭いので通行に気を使った。そんな訳で登山口となる「行者還トンネル」まで30分かかり、結局、着いたのは4時53分であった。しかし、ここでとんでもないミスを犯してしまった。「八経ヶ岳」への登山口は「行者還トンネル西口」なのに、いま自分がいる場所(東口)を「西口」と勘違いしてしまった。トンネルを抜けた反対側が西口だとは思いもよらず、とにかくトンネルにたどり着いたことに喜んでしまって、そこが登山口だと思ってしまったのである。幸いというのか、不幸というのか、トンネルの左側(南側)におあつらえ向きの駐車場まであったのである。まずは、その駐車場に車を止めた。また、駐車場の入り口に登山届けボックスと大峰山奥駈道への登山口の案内があった。たしかに、ここには「八経ヶ岳登山口」の表示はなかったのである。ここで気がつけばよかったが、しかし、今日の計画は強行で余裕がなく、従って心にも余裕がなく、気があせり、正常な判断が出来なくなっていたのかも知れない。さらに登山口まで約3分という表示があり、未舗装の林道まがいの道を下って行くのである。たしかに「行者還トンネル」のすぐ南に登山口があるはずなのであるが・・・と付近をうろうろしてから、登山口まで約3分という表示を見つけた。3分をすぐというのかどうかは、個人の感覚の差であろう。ここでもおかしいと思えば思えたのであるが、とにかく気があせり、林道を下って行くしかないと思った。

 そんなわけで、「八経ヶ岳」へ向け5時05分に出発した。そして、10時20分に下山してきた。今度は、「山上ヶ岳」へ登るため、行者還トンネルを抜けて、天川村の洞川温泉へ向かった。この国道309号は天川村側もすごい道である。もっと近いという思いがあったが、結局、下りきるまでに30分かかってしまった。天川中心地から右折して、大峰山公園線へ入り、洞川温泉へ向かう。洞川温泉街を通り抜け、大峰山公園線の最奥まで車を入れる。そこには広い有料駐車場と赤い清浄大橋がある。それで、その100mほど手前から左折して川上村へ抜ける林道へ入る。すぐに橋を渡り、そこからわずか右側に遊歩道の木橋がある。そのすぐ先の左側にくるま10台ほど止められる待避所がある。そこに先客1台があり、私も駐車した。

 準備をして11時25分に出発した。すこし戻ると、遊歩道の木橋があり、そこには「山上ヶ岳登山道」の表示があった。橋を渡って洞川の右岸沿いに登っていく。この遊歩道は「洞川自然研究路」となっている。所々には石畳が敷いてある道だ。この研究路は、有料駐車場から清浄大橋を渡ったところの墓地の間に飛び出す。墓地の間を抜けると、右手に清浄大橋があり、左手に女人結界門がある。なるほどこれがいまでも女人禁制の「山上ヶ岳」への登山道かと納得する。今度は間違いあるまい。11時33分に女人結界門をくぐる。しかし、2座目だからなのか、足が重い。11時47分に「一ノ世茶屋」跡を通過する。登山道はしっかりしており、急坂というよりは緩やかな登りなのであるが、スピードは極端に落ち時間がかかった。なんとか、12時16分に「一本松茶屋」に着いた。しかし、中は無人である。茶屋の中を通り抜け、12時49分に「お助け水」を過ぎ、13時01分に「2少年遭難碑」に着いた。ここには洞川6,750m、大峰山頂2,260mという表示が出ている。そして、13時12分になんとか「洞辻茶屋」に出た。ここで大峰奥駈道と合流するのである。この山の茶屋はすべて登山道をまたぐ形でできている。つまり否応なく、茶屋の中を通り抜けていくのである。さて、ここからは尾根道であり、緩やかなアップダウンの道なのであるが、それでもスピードは上がらなかった。13時19分に「だらにすけ茶屋」を通ると、すぐにまた、「だらにすけ茶屋」があった。2つの茶屋が続いているのである。この茶屋を越えると、道は3つに分かれる。一番左が「油こぼし」の道で、真ん中がその迂回路、一番右が下り専用の階段道となっている。一瞬迷ったが一番左の「油こぼし」の道へ入った。木の階段が連続しており、岩にはクサリがある。要は険しい岩の登りであるから油がこぼれるという意味なのか。この岩場を登り切り、13時34分に鐘掛岩の下へ出る。この岩を越え、13時38分にこの岩の上部へ出た。すばらしい展望であるが、今日は遠望はきかない。力をつけようと、ここでもおにぎりを食べ、13時46分に出発した。13時58分には「西の覗」に着いた。さきほどの「鐘掛岩」もそうであるが、この「西の覗」でも修験者は「行」を行うらしい。一般登山者も出来るが、それには経験者の指導がいるとなっている。未経験者がトライして事故が起きているという注意書きがあった。私は「西の覗」でもちょっとのぞいただけで、13時59分に出発した。この付近ではもう足を引きずる感じで、ふらふらとなり、14時12分にやっと山頂の「大峰山寺」に着いた。ここから「お花畑」の表示に従って、すぐ前の高みにあがった。14時13分に「大峰山頂上お花畑」という標柱のある場所に出た。「山上ヶ岳1719.2m」という標識もあった。写真を撮り、この後ろの高みにある三角点を探し、14時16分に三角点を発見して安心する。お花畑まで戻って、周囲の山々を見ながら、おにぎりを食べた。そして、14時26分には下山にかかった。これで、2座登破したのであるから、後は下るのみであるが、とにかく時間が迫っていたから焦っていた。この時点で30分ほどの遅れであった。体も相当疲労していたから、この遅れが取り戻せるか不安だった。下山は、鐘掛岩の方へは行かず、下り専用の木製階段の道を選んだ。14時43分にこの分岐点を通過した。14時51分に2つの「だらにすけ茶屋」を過ぎ、15時00分に「洞辻茶屋」に着いた。ここで、大峰山奥駈道から分かれて、尾根からの下山路に入る。15時06分に「2少年遭難碑」を通り、15時13分に「お助け水」を通過する。ここまで下って、なんとか予定通りに下れるという自信が出てきた。15時31分に「一本松茶屋」、15時49分に「一ノ世茶屋」を通り、15時55分に「女人結界門」をくぐった。後は、「洞川自然研究路」を通って、駐車場所へ急いだ。16時03分に車にたどり着いた。予定より、約15分の遅れであった。達成感、充実感がこみ上げてきたが、急いで帰り支度をして、車に乗り込んだ。16時12分発。国道309号へ出て、下市町へ向かう。そこから、国道169号で吉野町へ行き、県道を通って、国道370号で往路と合流する。そして、名阪自動車道の針インターを目指す。ここで、名阪に乗ったら、亀山市へ来る。ここで、一般道へ下り、国道1号、23号を経由して、長良川堤防に乗り、長良川をさかのぼり、20時23分に帰宅した。予定より1時間早かった。還りはノンストップでとばした。途中、吉野や四日市、桑名で渋滞があったが、早く帰着することができた。