連休を利用して、2つの日本百名山を登る計画を立てた。長野県長谷村戸台から登山バスで北沢峠まで登り、そこから甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳とへ登るのである。本来は北沢峠付近の山小屋に宿泊して、2山を登るのが順当であろう。しかし、登山バスが1日に数本しかなく、もし、山小屋で宿泊していて、急に帰宅することになったら、交通手段がないので帰れない。それで、一旦、戸台(仙流荘)まで下り、翌日また登山バスで北沢峠まで行くという計画にした。戸台(仙流荘)の登山バスの出発点に無料駐車場があるし、無料の休憩所もあるので、そこに宿泊していれば、何かあっても車で帰宅できるからだ。
さて、前日の17時21分に自宅を出て、ずっと一般道を走り、中津川市を19時30分ころ通過、国道256号で、8時30分ころ飯田市へ入る。国道153号で伊那市へ21時30分ころ入る。そして、22時20分に仙流荘前の無料駐車場へ着いた。駐車場はほぼ満杯であった。さすがに3連休の中日である。バス停を見ると、5時00分に臨時便が出るという看板が立ててあった。これはラッキーと、早速、車中泊とした。なかなか寝付かれず、うとうとしていたが、朝、4時30分に目覚めた。外は明るく、バス停には人が集まっていた。そして、今日は5時00分に臨時バスがでることと、切符販売を開始するとのアナウンスが流れていた。これはいけないとあわてて、準備をして切符売り場に並ぶ。バスは5時05分発の臨時便の2台目に乗ることができた。北沢峠には5時55分に着いた。早速に甲斐駒ヶ岳に向かって、双児山への登山道へ入る。登山道を登りながら、臨時便のおかげでこれは予定よりも1時間30分以上早い。これなら急いで甲斐駒ヶ岳へ登り、早く下山して、今日中に仙丈ヶ岳へも登れるかも・・・というようなとてつもないことを考えていた。それなら、下山路は仙水峠へのコースより、ピストンにした方が早いぞ・・・などど思いながら急坂をジグザグに登って行く。6時07分に最初の尾根に出た。それからも樹林の中のジグザグの急登で展望が利かない。しかし、最初の意気込みとは反対になかなか双児山に着かないので、これでは仙丈ヶ岳へ登るなどというのは無理な相談だと思い始めた。そして、7時17分にやっと展望のよい所に出た。双児山の手前の森林限界のようだ。仙丈ヶ岳、北岳、鳳凰三山なのが見える。そして、ここから一登りし、7時21分に双児山(2,636m)に着いた。これでは、仙丈ヶ岳は無理だから、栗沢山にしようかと計画変更を考える。とにかくゆっくりはしていられないと、7時27分には出発し、駒津峰を目指す。一旦、下ってから登り返すこととなる。7時35分に最低鞍部に着く。ここから登り、7時39分に森林限界となり、背の低い松中ののガレ場を登る。駒津峰は見えててもなかなか着かない。8時04分に駒津峰に到着。多くの登山者が休憩していた。仙水峠から登って来る登山者が圧倒的に多い感じだ。あまりの多さに、8時09分には甲斐駒ヶ岳を目指して出発する。ここからも一旦下ってから登り返すこととなる。8時21分に最低鞍部に着く。そして、8時25分に六万石という甲斐駒ヶ岳への登りに転じる大きな石ある場所に着いた。道標があるが文字が消えかけて判読できない。いよいよ登りに転じるとすぐの8時27分に直登と回り道の分岐点に着く。登山道の人の多さに嫌気がさし、時間短縮の意味もあって、迷わず、直登コースを選択した。案の定、殆どの登山者は迂回コースへと進む。直登コースへ入ったのは自分1人であった。しかし、この直登コースは、予想以上に険しかった。大きな岩を乗り越え、あるいは回り込んで、8時50分に鞍部に着いた。ここからは直登ではなくて、右の方(東側)へ回り込んでの登りとなるが、花崗岩のザレ場の滑りやすい登りとなる。そして、9時00分に尾根に出た。すると、鳳凰三山がよく見えてきた。そして、なんとそのオベリスクの後に台形の山が・・・富士山だ!!。北岳の後当たりに見えるのかと思っていたが、ここからは鳳凰三山の後に見えるのか。感動!感動!。それにしてもすごい風だ。吹き飛ばされそうだ。足元は悪いし、慎重に登って、9時10分に甲斐駒ヶ岳の頂上に着いた。しかし、直登コースではなくて、迂回コースをとった人の方が早かった?あるいは、殆ど同時であったようだ。何のために直登コースを選択したのか。ここでは、まだ、仙丈岳へ登るという気持ちを持っていた。さて、十分展望を楽しんで、9時21分に下山にかかる。まずは、9時23分に直下の鞍部の分岐に着いた。9時24分に「駒ヶ嶽神社本社」に着いた。「大国主命」の石碑もある。9時28分にここを出発。直下の鞍部から、下山路に入り、滑りやすいザレ場の道をどんどん下る。しかし、登山者が多くて待たされる場面が多く、時間がかかる。下山中に摩利支天が目の前に見え、せっかくだから摩利支天へも立ち寄ることを考え、そうすると、仙丈ヶ岳へは登れないと思ったが、なぜか、足は摩利支天の方へ向いていた。そして、9時50分に摩利支天への登りとなる鞍部に到着した。20人くらいのパーティが荷物をデポして登りにかかるところであった。この後について登り、9時58分に摩利支天に着いた。壊れた摩利支天の銅像があった。甲斐駒ヶ岳より標高が低いので、展望はかなわない。しかし、急にキレ落ちた崖や眼下の仙水峠あたりは見応えがある。それにしても、摩利支天山頂でくつろぐ人数が多いので、記念写真だけ撮って、10時02分には下山にかかった。10時06分に鞍部に下りた。さて、ここから甲斐駒ヶ岳の登山道に戻るためには、滑りやすいザレ場をトラバースして行かねばならない。慎重に踏み跡をたどって、10時15分に登山道に合流した。あまりの緊張感に合流したとたんに座り込んでしまった。ここまでくると、摩利支天へ寄り道したことで、もう仙丈ヶ岳へは行けないなと思った。さて、10時18分に出発する。10時22分には「駒ヶ岳←→六万石」という道標のあるところを通過する。10時30分に直登コースとの分岐点に着いた。10時31分に道標のある鞍部(六万石)に着いた。10時38分に最低鞍部を通過し、10時55分に駒津峰に帰り着いた。11時00分にここから下山するが、今度は仙水峠へのコースを下りた。高度が下がってくると、樹林帯が現れ、11時09分に樹林へ入る。11時15分に樹林を出、11時17分に樹林へ、11時18分に出て、11時21分に入り、11時27分に出、11時29分に入るといように樹林へ出たり入ったりを繰り返し、仙水峠はまだかなと不安になるころ、やっと仙水峠にたどり着いた。11時38分であった。登山者がくつろいでいた。ここからは緩やかな道だが、石がゴロゴロしているガレ場で、歩きにくくて仕方がない。それでも我慢してとにかく下る。やがて、沢音が聞こえてくると仙水小屋は近い。11時59分に仙水小屋に着いた。冷たい沢水が流れていたので、水を飲み補給した。仙水小屋から急坂を下ると、沢筋へ出る。あとは沢を渡って、沢筋を下っていく。12時11分に丸太橋を渡って、左岸へ移り、砂防堰堤を5カ所ほど過ぎると、対岸に長衛小屋が見えてくる。丸太橋で沢を渡って、12時22分に長衛小屋に着いた。ここはテント場でもあり、多くのテントが張ってあった。時間的に仙丈ヶ岳へ登るのは無理である。たしか、戸台(仙流荘)へ下るバスは、最終が16時00分で、その前は13時00分のはずだ。それなら、早く下山してゆっくり休み明日に備えようと思い直して、北沢峠のバス停へ向かう。12時35分にバス停に着くと、ちょうど臨時バスが出るところであった。そのままバスに乗り込んだ。すると、すぐにバスは発車し、13時29分に戸台(仙流荘)に着いた。やれやれだ。早速、仙流荘の風呂に入り、ぶらぶらして休む。日が沈む頃から、無料休憩所に入って横になる。しかし、なかなか寝付かれない。夜中に2人組が入ってきて、シュラフで寝た。明日は仙丈ヶ岳へ登るのであるが、どうも今日のように臨時バスは出ないようである。そうすると、ますます、時間がなくなる。6時30分の定刻のバスで行き、最終の16時00分のバスに間に合うのか。時間との戦いになるぞと思いながら、とにかく体を休めることだと言い聞かせた。