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大 笠 山(1,821.8m)
平成14年10月5日(土)晴れ
前日の4日金曜日、仕事を終えて、そのまま国道156号を北上する。途中の「白鳥美人の湯」で温泉に入り、6時40分に出発する。荘川村で国道158号を分け、白川郷を通過し、その後国道156号と平行する荘川を渡る毎に、岐阜県から富山県に入ったり、また岐阜県に戻ったりしながら、富山県に入ってすぐに左折して、国道156号から分かれ、境川ダム(桂湖)へ向かう。左折したらあとは一本道である。トンネルを1本くぐるとダムが見えてくる。ダムの上部へ達し、桂湖畔を走ると、桂湖の管理棟があり、トイレや駐車場がある。午後8時30分ころ到着し、ここで車中泊とした。午前5時30分起床し、朝食とトイレをすませ、さらに奥の登山口へ向かう。道は桂湖の最奥で桂湖に架かる橋を渡るが、その先は未舗装の林道となる。道は直角(90度)に左へ曲がって橋を渡るようになっているが、橋を渡らずまっすぐ進んだ先が登山道である。車では入れないので、車はこの橋のたもとに駐車することとなる。この橋のたもとに3台くらいの駐車スペースがある。入り口に登山届けボックスに似た箱があり、登山者が情報を記すようになっている。また、「登山道大笠山線」という標柱も立っている。登山準備をしていると2台の車が来た。いづれも登山者である。さすがに大笠山である。多くの登山者が訪れる。さて、6時03分に出発する。すぐに大畠谷に架かる大畠谷橋という吊り橋を渡る。その先には鉄製の階段(ハシゴ)が岩壁に付けてある。そのハシゴを登って、6時15分に尾根上に出てコブを越える。この先も登山道は尾根を直登しているようで、急坂が続く。途中で跡から出発してきた2人パーティに追い抜かれながら、7時11分に丸太の階段を通過する。そして、7時16分に「白山国立公園、桂湖1.6Km、大笠山4.6Km、環境庁・富山県」という標柱がある場所に着いた。さすがに富山県だ。岐阜県ではこうした標識にお目にかかったことがない。それにしてもここでまだ4分の1の行程なのだ。先が思いやられる。大笠山まで単純に考えても、4時間以上かかることになる。さて、さらに急坂を登ると、7時33分には檜の大木が2本ある場所に着く。そのうち1本の幹には大きな穴があいている。1人ならこの穴の中で寝られるくらいだ。7時40分にやっと平坦な道になった。それもつかの間、7時52分には、また丸太の階段があり、平坦地となったりのアップダウンを繰り返し、8時03分に丸太の階段の場所に「白山国立公園、桂湖2.6Km、大笠山3.6Km、環境庁、富山県」という標柱がある。ここでほぼ半分くらいの距離か。8時29分に道が平坦になると、すぐ先、8時30分には右手のコブに登る分岐道がある。それを登ると三角点があり、「白山国立公園、前笈ヶ岳、天ノ又、1522.1M、環境庁、富山県」という石碑がある。先に追い抜いていった2人が休憩中であった。実際、ここまで急坂の連続で休憩場所もないのだ。この前笈ヶ岳が大笠山の半分の行程と思われる。さて、当方は休憩もなく、先を目指すこととした。8時40分には「白山国立公園、桂湖3.7Km、大笠山2.5Km、環境庁、富山県」の標柱がある。これで半分以上登ったことになる。8時52分にコブを越える。ここまで来てやっと笈ヶ岳から大笠山への稜線が見えるようになる。しかし、大笠山から笈ヶ岳までは相当距離がある。登山道がなければ大変な時間がななりそうである。登山道があったとしても、登り2時間、下り1時間くらいの見積もりだ。登山道がなければこの2倍はかかるだろう。さて、とにかく大笠山まで行かなければどうにもならない。8時57分にこのコブを出発する。いったん大きく下って、登ることとなる。9時22分に「白山国立公園、桂湖4.8Km、大笠山1.4Km、環境庁、富山県」という標柱があり、これで4分の3を登ったことになると思いつつ進むと、9時35分に避難小屋があった。「日本300名山、大笠山避難小屋、H9.10建之、富山県上平村」という表札がある。小屋の前に水があると情報を得ていたが、水は涸れていた。引水のホースはあったが、水が出ていない。ホースが途中で損傷しているのか、水源地が枯渇しているのか、取水口がはずれているのか、確かめる時間的余裕はない。水源地が近いのならば、小屋の中のポリタンク(20L)に汲んで来ることもできるだろうが、水源地も不明である。小屋は6畳くらいの広さで、中にはなべ、やかん、フライパン、ランプ、シート、ポリタンクなどがあり、きれいに整頓されている。小屋の前で休憩していると、先ほどの2人組が上がってきた。ここから大笠山まで1時間だという2人組の情報を聞き、9時43分、2人組より先に出発する。9時51分にコブを越え、10時07分「白山国立公園、桂湖5.7Km、大笠山0.5Km、環境庁、富山県」の標柱を見て、あと少しだと励まして登る。10時16分に稜線上の三叉路に着いた。「白山国立公園、桂湖6.0Km、大笠山0.2Km、奈良岳3.2Km、環境庁、富山県」の標柱がある。あとは、稜線の平坦地をたどるだけだ。しかし、この先は笹が生い茂り歩きにくい。10時20分、ようやく大笠山(1821.8m)の頂上に着いた。4時間20分の行程だ。白山よりかかるのではないか。大笠山でさえ、こんなにかかるのだ。樹木に遮られて360度の展望とはいかないが、笈ヶ岳など南側と東側はよく見える。笈ヶ岳への稜線を分け入ってみると、しばらくは踏み跡があるが、すぐに背丈を超える笹に埋もれてしまう。なんとか行けないことはないと思うが、相当な勇気と覚悟が必要だ。それに時間もかかる。日帰りはとても無理だ。先ほどの避難小屋に1泊しても大変な行程となる。小屋に2泊必要となるのではないか。そんなことを考えながら、昼食用のラーメンをつくり、食していると小屋で分かれた2人組があがってきた。写真を撮っていると、単独行もあがってきた。11時09分に下山にかかる。11時12分に稜線上の分岐点に着いた。「白山国立公園、桂湖6.0Km、大笠山0.2Km、奈良岳3.2Km、環境庁、富山県」の標柱のところだ。11時17分には「白山国立公園、桂湖5.7Km、大笠山0.5Km、環境庁、富山県」の地点を通過し、11時26分にコブを越え、11時30分に避難小屋に着いた。11時38分には「白山国立公園、桂湖4.8Km、大笠山1.4Km、環境庁、富山県」
の標柱を過ぎて、平坦地を下って行くと、あっと驚いた。熊だ。熊が後ろ姿で何か食べ物でも探していたらしい。こちらが近づくと急に走り出し、尾根上の登山道から右手の樹林の中へ下っていった。一瞬の出来事だった。こちらへ向かってこなくてよかったと胸をなでおろす。11時52分と12時05分にコブを越えて、12時16分に「白山国立公園、桂湖3.7Km、大笠山2.5Km、環境庁、富山県」の標柱を過ぎると、12時24分に前笈ヶ岳に着いた。2人パーティが休憩中であったが、登りに写真を撮らなかったので、ここで写真を撮って、12時28分に出発する。12時53分に「白山国立公園、桂湖2.6Km、大笠山3.6Km、環境庁、富山県」の標柱を通過する。このさきで4人パーティに出会った。彼らは、避難小屋に1泊して、明日、大笠山へ登るという。今日はいままで13人が入山していること、小屋の前の水は涸れていることを伝えると、水のないことに驚いていた。入山者は日帰りで下山するだろうが、水はあるものと思っていたらしい。それで、ホースをたどって水源地まで行き、水を汲んでくるしかないと話していた。さて、こちらは、13時05分に穴のあいた檜の大木のところを通り、13時11分に「白山国立公園、桂湖1.6Km、大笠山4.6Km、環境庁、富山県」の標柱を過ぎた。もう近いと思ったのになかなか登山口に着かない。足も相当疲れてしまっていた。登山口についたのは13時57分であった。結局、下りは3時間ほどかかっていった。笈ヶ岳の下見のつもりで軽く考えていたが、とにかく大変な山である。